週刊金曜日で「大震災と宗教」特集

先週の土曜日の日記で、週刊朝日に2011年7月29日号に「今静かにブッダがブーム!!」という記事が出ていたことを書いた。図書館でざっと流し読みしただけだが、既成仏教に飽き足らないという人が、人間ブッダに関心を寄せているという。
前の記事では人間ブッダに注目ということから、ブッダに救世主を見ているのか?と書いたけど、もうひとつの可能性を思いついた。ニーチェの「超人」だ。
私はニーチェツァラトゥストラはかく語りき』を少しつまみ食いしただけなのだが、想像していたよりユーモアがあっておかしみを感じながら読めた記憶がある。全部通して読んだわけではないので感想も言えないけれども、そのわりにはニーチェの「超人」というのがぽんと頭に浮かぶのは、ナチ本を読んでいると、ナチがもっともらしいことを言う際に利用した物件としてニーチェがよく取り上げられているからなのね。ナチとニーチェの関係は、オウムが中沢新一の本を都合よく読んで利用してたのと似てるのかな。
そういえばブレイビクの文書にも、高名な哲学者のことばが引用されており、なまじ哲学にくわしい方がそこからブレイビクに妄想を膨らましているのをネット上で見かけたけれども、あれも私と同じようにつまみ食いしただけか、ひょっとしたら孫引き(たとえば『正論』や『ムー』の記事でもああいう哲学書からの引用は出てくる)かもしれないよなと想像するね。いや、もちろん、私とちがってブレイビクはちゃんと原書も読んでいるかもしれませんが、ヒトラーや麻原みたいな局部的にちゃくるのがうまい人もいますからね。
人間ブッダへの興味から、仏教を勉強する人が増えるのはいいことでしょうけれども、週刊朝日的には静かとはいえブームになっているそうですから、ブームが変な方向に流れないように観測を続けてその後の様子も報道してもらいたいです。
さて、既成仏教もがんばっているぞ、という記事が週刊金曜日2011年8月5月号に載っていました。「大震災と宗教」という特集です。被災地でボランティア活動をした僧侶、その際に活かせる全国のお寺のネットワーク、震災が宗教者に与えた影響など。キリスト教からは教区で被災者支援を続ける牧師からの報告。
くわしくは週刊金曜日http://www.kinyobi.co.jp/)を読んでもらいたいのですが、仏教関連から牧師のつぶやきをひとつメモしておきたい。

被災地では、キリスト教より仏教が地域住民の心の拠り所になっていることを目の当たりにしていた自分にとって、その場で死者の弔いができるであろうお坊さんが心からうらやましく思っていました。
(引用元:『週刊金曜日』2011年8月5日号 「ともに喜びともに泣く」野田沢)

野田牧師はエマオで被災者支援を続けているそうです。
日本基督教団 東北教区センター エマオ(http://www.uccj.jp/