週刊金曜日「森美術館問題を考える」 続き

http://www.kinyobi.co.jp/ 2013年3月15日(935号)
前号の記事を読んだ読者の投稿が「論争」欄に。これも両論併記の形で、二本立てでした。
「少数意見を尊重するのか 多数派の姿勢が問われる」と題した論考は、討論集会で「会田作品を評価している女性もいます」という言い方で、抗議した宮本さんの声が全女性の声を代表しているわけではない、ということをもって、宮本さんの抗議を矮小化する向きが一部にあったことを受けて、宮本さん自身は全女性を代表して発言しているわけではなく、あくまで宮本さん個人の立場で抗議を表明しているだけだ、という、あたりまえのようで女性が何事かに関して抗議した際(とくに表現に対して)よく起こるとんちんかんな(ようでいて、じつは女性の言うことに取り合わないようにする際に頻繁に用いられる)対応を、批判。女が何か意見を言うと、別の女をつれてきて「この子はこんな風に言ってますけど」と、女か、女がなんか言うてるな、でも、女、やろ、あれは? なんで女があんなことを自分に言うてくるの? あれ、女やろ? 女のくせに、と、女相手だと言ってることがフツーには聞き取れませんのでそこんとこよろしく(それを、わ・か・れ! 女、アホwww)というしのぎ方でずっとやってきている、“健全な”男性にありがちな態度に、少なくともここまで抗議される事象が限定されている話なんだから、この事象についての意見として、ちゃんと言っていることを聞こうよ、と呼びかける男性からの投書。しかし、週刊金曜日くらいかもしれませんね、こういう投書を大きく取り上げてくれるのは。
もうひとつは、会田誠作品のおもしろさを教えてくれる内容で、まず日本画を中心とする日本の美術界に対しての挑発というのが会田作品にはあるようで、しかしそのアイデア自体はいまさらな印象しか私は受けないのだが、そのいまさらネタを高度な画力を蕩尽して具象化するところが観る人によってはすごくくるらしいですね。これは、作品にはこういう観方もできるんですよ、という投稿だと受け取りました。ちなみに、抗議それ自体を否定されているわけではなく、ただし作品を撤去させろというのは賛成できない、という意見。
興味のある方は、週刊金曜日をぜひ読んでみてください。