- 2013年、アメリカ
- 原題：Oblivion
- 監督・原作：ジョセフ・コシンスキー
- 脚本：カール・ガイダシェク、マイケル・デブライン
- 出演：トム・クルーズ、モーガン・フリーマン、オルガ・キュリレンコ、アンドレア・ライズブロニ
廃墟と化した地球に残り任務を続ける男が夢で見続けていた女と出会う。
侵略してきた異星人・スカヴとの戦いに人類はかろうじて勝利したものの、地球は人の住めない廃墟と化し、生き残った人々はタイタンへ移住。ジャック・ハーパー（トム・クルーズ）はまだ残るスカヴの攻撃から戦争の後処理を完遂するまで地球に残り、監視と機械の修理にあたる日々を送っていた。パートナーのヴィクトリアは任務を終えタイタンへ行く日を心待ちにしていたが、ジャックは夢に出てくる女性の面影が気になっていた。任務の妨げになるため過去の記憶は消されている筈なのに、彼の脳裏には過去のニューヨークでの情景が鮮やかに蘇るのだ。
パトロール中のある日、飛行物体が落下するのを目撃、墜落現場で何人かの乗組員を見つける。すべて地球人だったが、助け出せたのは一人だけ。それは、ジャックの夢にいつも出てくる女性だった。……
SFファンにとっては、子供の頃から親しんだSFの世界が舞台となり、なじみやすい物語が展開する映画で、主人公・ジャックと共にパトロール機でびゅーんと飛んでいく気分が味わえるだけでも楽しめる作品になっている。主題だけ突き詰めると重い印象があり、そこがSFなんだよ、になるんだけど、過去のSF作品の中でもなぜか「エヴァ」のエコーがひときわ強く鳴り響いている気がしたのですが、どうでしょうか。
日本人にとっては津波の被災地を思い出させる廃墟の中で、失われた光景を思い出し生を愛しむ主人公の姿は、平和な日常の中でもふと私たちが体験する一瞬と重なるし、また、かつてのSFで繰り返された場面や動機が廃墟の中でトム・クルーズによって反復されるのを見るのも、人が生きている限り永遠に続くものをあらためて思い出させてくれるところがあった。
SFらしい派手な撃ち合いも見られるが、地球での生活が忘れられない主人公がこっそりこしらえた湖畔の隠れ家も素敵でした。
全編トム様出ずっぱりなのでトム・クルーズのファンには眼福映画ですよ！
