希望を見失いつつある多数派

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『世界』no.863 に掲載された、ル・モンド・ディプロマティックからの翻訳記事:ピーター・ハーリングイスラム国 幸運に恵まれた怪物」 は、イラクとシリアで領地を獲得するにいたったイスラム国と現在のアラブ世界について書かれたものですが、その中で、その地域で多数派となるスンニ派の人々が少数派的な疎外感を持ち出していることが指摘されています。

(...) すなわち、同地域の多数派をなすスンニ派の中に、少数派的なコンプレックスが生じているのだ。片隅に追いやられ、権利を奪われ、侮蔑されているという、やや混乱した、それでいて鮮明な意識が芽生えているのである。自分たちが基本的な権利を奪われ、迫害を受けていると感じ、またそう称するスンニ派の人々は次第に多くなっており、地域的にも拡大している。
(引用元:ピーター・ハーリングイスラム国 幸運に恵まれた怪物」『世界』no.863 p.219)

何故そうなってしまうのかは、『世界』no.863 をお読みください。
アラブ世界だけではなく、似たような現象が日本や欧米でも起きているのではないか?
現に紛争が起きている地域と、平和な空爆知らずの今の日本を並べることはできませんが、でもやはり、同時代に生きているわけですから、メディアによる影響など重なり合うものもあるのでは、と記事を読んで思いました。