週刊金曜日 1063号 柴田英里『春画と戦争画をめぐる「視線の力学」』

週刊金曜日 2015年 11/13 号 [雑誌]

週刊金曜日 2015年 11/13 号 [雑誌]

旧号からの紹介になります。
大英博物館での春画展が日本でも話題になり、日本でも初めて永青文庫春画展が開催されました。これを快挙のように取り上げる記事が多い中で、柴田英里が「手放しで喜べるものなのか」と違和感を表明し、その理由を説明してます。ぜひお読みください。
私も、イギリスのインテリ男が春画を持ち上げるのを聞いていると、白人が東洋人について抱いているエロ妄想、とくにアジア系女性に対する妙な思い込み、いつものあれね、もうこれは永遠に変わらないし、白人からはこう見えるのねと認識するのが社会勉強なのね、という感想が脳内をよぎるもので、自分の中のもやもやを整理するのに読んでよかった記事でした。
明治時代から近代化を目指し西欧の流儀にならったせいで日本の性が不自由になったという紋切型の物言いがありますが、明治時代にはじまった日本は四民平等とセットになっているのです。それ以前の前近代は身分差別があたりまえにあった時代なのですよ。私は江戸時代に夢は持てない。歌舞伎で観るコスプレ劇の舞台としては愛せますけれどもね。