『世界』で桐野夏生「日没」新連載!

世界 2017年 04 月号 [雑誌]

世界 2017年 04 月号 [雑誌]

「マッツ夢井」というペンネームで作家として活躍している松重カンナは一人暮らしで猫のコンブを飼っている。飼い猫コンブが家へ戻ってこないので心配になってきたところへ、総務省文化局・文化文芸倫理向上委員会から召喚状が届く。編集者にたずねてもインターネットで検索してもその“委員会”については不明、しかし以前同じ差出人から送られた手紙をよく読みもせず捨てたことは憶えており、期日までに返信が届かなかったから召喚すると役所から言われたのなら無視するわけにもいかないと判断、指定された場所へ出向くことにする。弟にだけ事情を告げ、マッツ夢井は出頭するのだが、彼女が連れて行かれたのは、茨城県の人里はなれた場所にある廃屋と見紛うような元療養所だった。……
読者から提訴されたといわれてもなんのことやら分からないまま出頭するまでに、彼女の周囲の人たちの身にも様々な異変が起きていることを知らされ、不穏な空気を漂わせて物語は始まります。駅から彼女を車で療養所まで送ってくれた男が発した「言葉の暴力もあります」というひとことが気になりますね。ああ、早く続きが読みたい!
昨年末休刊となった『文学』で連載されていたものが『世界』へ移されたものだそうで、『世界』では今月から新連載となります。
桐野夏生ファンはお見逃しなく!