ショッキングなニュースでしたね。BBCの報道によれば、アフガニスタンでは同様の事件はめずらしくないそうですが、灌漑事業に取り組んでいた最中の災難。
私が中村哲医師を知ったのは、9.11事件関連のムックで、アフガニスタンの状況を解説するインタヴュー記事でした。医療以前に水や食料が不足しているので、そこから改善したいと井戸を掘り用水路を作って、荒れ地を農地に変えようとしている、と。そういう状態のアフガニスタンを攻撃するというのはどういうことか、と語っていました。
次に印象に残っているのは『SIGHT』に載ったインタヴュー記事で、これもアフガニスタンについて語っているのですが、灌漑が進み、水が流れる水路と緑が茂った土地の中をアフガニスタン風の服装で歩く中村医師が映った写真がとてもきれいで、着実に成果が出ているんだなと感動しました。
今年十月にアフガニスタンの名誉市民権を授与されたというニュースが四国新聞でもカラー写真入りで報道されたと記憶しますが、こんなことになるとは。
アフガニスタンでの活動は現地の人々の協力があって出来たことでしょうから、現地の人が中村医師の遺志を継いで灌漑事業もさらに発展させていかれることを望みます。
中村哲医師、安らかに。
追記
12月2日、西日本新聞に掲載された中村哲医師からのレポート。近代化都市化が進み、以前とはアフガニスタンは大きく変わった、そこで活動を続ける中での複雑な心情が読み取れます。でも、まだ灌漑工事を待っている村もあるのですね。
これはメモとして。
あえて言えば、アフガニスタンのガニ大統領が名誉国民だか何だかを中村先生に授与したという、あの写真は、凶悪な組織が敵と決めつけるきっかけだったかもしれない。中村先生がそんなものを望んでいたとは到底思えない。犯行に及んだ組織と同じくらい、汚職と腐敗にまみれたアフガン政府の責任も重い
— masanorinaito (@masanorinaito) 2019年12月5日