『世界』10月号からコロナ戦新連載が

 

『世界』2020年10月号(Vo.937)

『世界』2020年10月号(Vo.937)

  • 発売日: 2020/09/08
  • メディア: 雑誌
 

 

新連載を二つ紹介します。

河合香織分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議」第一回

 コロナ対策専門家会議がどのような経緯で立ち上げられ、どういう役割を果たしてきたか。報道の伝わり方のせいで、一般人の多くに誤解されがちな専門家会議の実態をレポートしてくれています。新型コロナウィルスの特性(これは厄介なもの)についても解説されており、何故クラスター対策をすることになったかがわかります。

 対策の実行を決定しているのは政府ですね。

 急に専門家たちに声がかかったのはダイヤモンド・プリンセス号がきっかけだそうです。ある意味、黒船来航、に近いものだったのでしょうか。

 

山岡淳一郎「コロナ戦記 第一回 永寿ケース」

院内感染から43人の死者を出した東京都台東区の永寿総合病院で起きたアウトブレイクを、時系列で追っています。何が起きたのかを記録することで今後の対策への手がかりを遺そう、という趣旨。PCR検査対象が限られていた頃があったのが思い出されました。

 ただし、永寿よりも早く院内感染が起きた和歌山県の有田済生会病院の場合は、和歌山県知事の裁断で早期に多数の関係者に対してPCR検査を実施し、アウトブレイクにならないで済んだそうで、法的にも知事の裁量権は認められており、東京の場合は残念ながら都知事がすぐ対応することができなかった、それが大きな被害につながったと記されています。

 

くわしくは『世界』10月号を読んでください。

 

 

菅 自民党新総裁

石破、菅、岸田と三人並んだ顔写真を見ると、菅がいちばん耳が大きくて形がきれいなんですよ。政界や財界のえらい人はみんな耳が大きいんですよね。

シリアのアサド大統領は、耳は大きいけど上がとがった形してて、ちょっと異色なのが目を引きますね。

 

 

 

 

カワユイ深海魚 モユククサウオ

www.hokkaido-np.co.jp

 

羅臼根室管内羅臼町沖の生態調査を行っているふくしま海洋科学館福島県)と京都大、米海洋大気局の共同研究グループは、深海魚の新種を発見したとする論文を、日本魚類学会英文誌のオンライン版に公表した。羅臼沖での深海魚の新種確認は、昨年以降で3例目となり、「モユククサウオ」と命名した。

 新種はクサウオ科フウライクサウオ属で体は赤色。水深800~1200メートルで2019年4月から20年6月にかけ、刺し網で混獲された7個体を調べた結果、体長25センチ前後と同属の他種より大きく、DNAの配列も異なることから新種と結論づけた。クサウオ科に特徴的とされる腹びれが変形した吸盤が、同属には跡しかないという。

 

また、見つかっちゃったよ、なニュースなんですが、だから深海魚にとってはいいのかわるいのか、でも、人としては、これはちょっと注目。深海魚はだいたい性格俳優タイプがデフォルトなんですが、この子は、アイドル、狙えそう! 写真の撮り方のせいかもしれないんですが、カワユイんですよ、ディズニーで主演も夢じゃないようなルックス。

そう思うと、ネーミングの「モユククサウオ」の「モユク」ってとこが萌ゆるとかとダブってこない?

 

Best Arab Rap 2019


Best Arab Rap 2019

 

アラビア語はラップと相性よいね。

 

ラップ、というか、Hip Hop のスタイルは世界的に拡がっていますね。いま、若い子が好きなポップスというと、こういうスタイルが主流なのかな。アメリカのVevo見てもそんな感じですね。それで、なんか昔の日本のアイドルポップスというか歌謡曲の世界にアメリカのヒットチャートがぱっと見の雰囲気似てきてるような気がするんですが、これは私が年齢的に70-90年代くらいまでのロックバンドが多かったころの記憶に引っ張られてそんな感想を持つのかもしれません。

自分と同年代のアメリカのラッパーもまだ活躍中ですが(でもけっこう死んでるな……)、オールドスクールとかミドルスクールとかニュースクールとか呼ばれてるの? いや、よく知らないんだけど。

フランスの流行歌(フレンチポップス、という呼び方は古風になるのかな)も、ヒップホップ調のものが多いみたいです、YouTubeで見た限りの印象では。

今、NHKラジオまいにちフランス語応用編のオープニングに使われている、ストロマエの Alors On Danse も、そうですね。


Stromae - Alors On Danse (Clip Officiel)

2010年に世界的に大ヒットしたそうですが、わたしはフランス語応用編で初めて聴きました。ほかのクリップを見ると、ストロマエは曲ごとに様々なスタイルで演ってて、だからやっぱり歌謡曲的の印象を受けます。ストロマエは現在は活動休止中だそうです。

 

しかし各国のラップというかヒップホップ調の曲を聴くと、アメリカンミュージックの独特性をあらためて感じる、なんかすごくドライでシニカルでビジネスと一体化した殺伐感があって、そこがかっこよく響くのね。その裏打ちゆえに感傷性も強靭になるみたいな。基軸通貨はドルなかんじとダブるけど、その世界はいつまで持続できるんだろう。

モリヤマハルカ『ニューヨーク発 最強英語発音メソッド』クロスメディア・ランゲージ

 

まず、「はじめに」から、一部引用。

発音の習得に、耳の良さも年齢も関係ありません。歌が苦手でも、バイリンガル育ちでなくても、若くなくても、しっかりマスターすることができます。

必要なのは

1)「日本語連動筋」を使わない口の開け方を知り

2) その開け方のまま英語発音を学ぶ

それだけです。そうすれば大人でも簡単に、正しい英語発音を学べます。「筋トレ」が作る日本語と、「スライド」が作る英語、皆さんがその本質的違いを知り、発音コンプレックスを解消するお手伝いができれば、幸いです。

 

本書の対象読者

日本語を第1言語とし、英語発音に日本語訛りを持つすべての人、特に英語発音の初中級者を対象としています。

 英語の発音練習の仕方を教えてくれる本です。そして、これはすばらしいですよ! 革命的といってもいいくらいです。これまで、日本語にはない英語の音を発音しようと四苦八苦していた方、ぜひ読んでみてください。

 著者のいうスライドメソッドですが、まず、最初に、英語向けの口のかまえを作ります。かまえ、といいますが、あごをふんわりとゆるめ、下の力を抜く、日本人にとっては口の(英語を話す際には)無駄な緊張を取り除き、英語を発音するのに力むことなく自然に口が動く態勢に入るということになります。

 やり方はくわしく本に出ているので、それに従ってやってみてください。この口になるのを「スライド」と読んでいますが、実践してみると、口元が赤ちゃんぽくゆるみます。ふんわり脱力した口元になります。それから舌も脱力させます。

 そして発音練習となります。あごと舌の力を抜いて、これが基本です。ゆるふわ状態のあごと舌、そこから解説にしたがって発音練習してみてください。おおっと自分でもびっくりするほど口が自然に動いて英語の発音ができますよ。

 英語は日本語にはない音があるからがんばって発音しなきゃ! と力みがちだった人にとっては、まさに革命的な一瞬が体感できます。

 アマゾンのレヴューを読むと、著者が説明に用いているたとえがわかりにくいというタイプの人たちがいるようですが、まずスライドであごと舌の力を抜いて、そしてそのゆるふわな口で、著者の説明(たとえがわかりにくいなら最初はそこはとばして、舌などの動かし方は書かれていますからそこだけ着目して)に沿って発音してみてください。何回か発音をしてみると、著者がたとえによって伝えようとしている状態が自分で分かってくるでしょう。

 この本で扱っているのはアメリカ英語の発音ですが、日本語話者にとってこのスライドメソッドであごと舌の力を抜き口を動かしやすくするというのは、他の外国語の発音で苦戦している人にも効果があるでしょう。私はいまフランス語とアラビア語も勉強中ですが、少なくともフランス語とアラビア語の発音においては効果がありました。口がなめらかに動くようになり、また、舌の動き、動かせ方に意識的になれて、そのためフランス語やアラビア語の発音の際の舌の動かし方も分かってきました。

 外国語学習中の人なら実感していることですが、発音と聞き取りには強い相関があります。自分で発音できる音は聞き取れるようになりますし、聞き取れるようになると発音の仕方もわかってきます。発音練習をして口が動くようになると、しゃべっている人の口の動き、とくに舌の動きがわかるようになり、それがはっきりと言葉が聞き取れることにつながっていくのです。

 そして、聞き取れるようになると、読み書きの勉強もらくにできるようになります。

 モリヤマハルカ先生が著書でおっしゃっているように「英語を学ぶなら、発音を第一優先にすべき」というのは真理です。

 佐伯智義『英語の科学的学習法』講談社も、英語学習者にとってはよむべき本のひとつですが、佐伯先生も「英語学習はまず発音から始めるべき」といい、そして発音の指導を受けるのなら、日本人がなぜうまく発音できないのか理解し、どう直せばできるようになるかがわかっている人、英語の発音の理論を日本人に向かって伝えられる先生からが望ましいと述べています。

 この本の著者・モリヤマハルカは、それができる先生ですね。

 英語学習中のみなさん、ぜひ読んでみて!

 

 

 

 

小野不由美『残穢』新潮文庫

 

残穢(ざんえ) (新潮文庫)

残穢(ざんえ) (新潮文庫)

 

 

GYAO!の無料配信で映画「残穢」を観たらおもしろかったので原作を読んでみました。小野不由美山本周五郎賞受賞作です。


 作家である「私」はかつてライトノベルのあとがきで読者に怖い話を知っていたら教えてほしいと呼びかけていた。そのため、今でも読者から「私」のもとに「ほんとうにあった怖い話」が寄せられてくる。その中に、現在はライターをしている「久保さん」から寄せられた、今住んでいるマンションの部屋で妙な現象がある、という話があり、「私」はかつて同じマンションの住人から同様の話が寄せられたことに気づく。同じマンション、しかし、異なる部屋。よくある事故物件にまつわる怪異なら、同じ部屋で怪奇現象が続くのがパターンとなっているが、これはそうではない。では、そのマンション自体、もしくはマンションが建てられた土地そのものに原因があるのか? 「私」は久保さんと、夫も含めた作家仲間の協力を得て、怪異の根源を探り始めた。……


 ホラーですが、作家である「私」が「ほんとうにあった怖い話」の裏取り調査をしていく過程がドキュメンタリータッチで描かれています。英国ドラマが得意とするモキュメンタリーとでもいうのかな。そして、謎の原因を探っていくのですからミステリー仕立てになっていますね。


 不動産屋やずっとその地域に住んでいる人たちから話を聞き取っていく様子は、ライターが取材するときの雰囲気が伝わってきますし、実話怪談に造詣が深い作家仲間からの怪談実話取り扱い上の注意点のレクチャーは、うっかり「ほん怖」に触れてしまいがちな一般読者にも参考になりそうです。


 主人公は、読者に楽しんでもらえるよう怖い話を書くのを生業としている作家ですから、人はどんな話を怖いと感じるのか、何故怖い話を読みたがるのかという側面を常に分析的に考えています。また、いわゆる広く受け入れられる怪談のパターンと、実際に怪現象を取材して得られる現実のちがいも見ています。それで、久保さんも含めて実話怪談に興味を持つ作家仲間たちは、いきなり心霊現象だ、お祓いを! みたいにはならないのですね。一般に心霊現象と言われるものの実態は何なのだろうかと考えるのが習い性になっている。まったくそういうものを信じないという人たちとは異なるタイプですが、心霊現象に懐疑的な人たちでもあるわけです。そのため、この小説は、実話怪談を読んだりするのが好きだけれども、幽霊とかすぐ信じるのかといえばそれもできないような、おそらく一般に多いであろう「ほん怖」読者の気持ちが言語化されていくようなおはなしになっていました。


 また、これは日本の裏近現代史でもあります。バブル期、高度成長期、終戦直後、戦前、大正明治へと、調査は時をさかのぼって進んでいきます。そして過去にあったリアルほんとうにあった怖い話が事実として出てくるのですが、そこから残穢が発生している。たいへんな時代をけんめいに生き抜いてくれたご先祖様のおかげでわたしたちは今ここにいて小説を読んだりしていられるのですが、時代の流れの中で犠牲になった人々の無念や痛みも堆積した上にその今がある。それを忘れてはいけないし、かといっていつも意識していることもできないので、地鎮祭のような昔からの風習や、なにかあったら神社やお寺に参って気分を一新したり、お祓いをしてもらったりするというの、唯物論者から見れば意味のない行為になるんだろうけど、そこでちょっと日常にはない気持ちにギアチェンジして過去とつながるのもけっこうだいじなことなんじゃないかな、と。


 この本の主人公の「私」は九州育ちで京都在住ということですが、農村部にはなじみが薄いようで、田畑が広がっている光景は「何もない」ように見えるらしいのですが、農村にも代々人が住んでいるので過去もあり因縁もありますし、それを言い出したらアメリカ大陸もヨーロッパ人には新大陸だったかもしれませんが先住民がいましたので、アメリカには先住民由来の怪談があり、もっというと、人跡未踏だった地域に人が入っていくと、人がいないことで安定していたその地域はかき乱されて、そのせいで生きづらくなったものの負荷が新型ウィルスのような形で人にはねかえってきます。
 作品中でも、残絵の作用をウィルスにたとえる一節がありました。意外とコロナ禍にマッチした小説かもしれませんね。

 

 一読すると映像化向きではない印象ですが、非常にうまく脚色して映画にしていたと思いました。

 

 

 

幸せ運ぶ青いハチ

四国新聞2020年8月23日より

“幸せ運ぶ”青いハチ 善通寺にブルー・ビー飛来

 善通寺市吉原町の善通寺五岳の里・市民集いの丘公園に“幸せを運ぶ”と言われている青いハチ「ブルー・ビー」が飛来し、来園者らが関心を寄せている。
 飛来したのはミツバチ科の一種のナミルリモンハナバチ、隊長は10~14ミリ程度。胴体の鮮やかな青いしま模様が特徴。本州や四国。九州を中心に分布しているが、個体数が少なく、珍しさや美しさから「幸せを呼ぶ」とされている。
 同園によると、ブルー・ビーは同園の入り口付近の植え込みで10日ごろに確認された。以降、毎日現れているそうで、涼しい時間帯に見ることが多いという。
 同園は「動きが速く姿を確認するのが難しいため、出合えると幸せな気分になると思う。暑い日が続くが、ぜひ見に来てほしい」としている。

 

 新聞には写真も載っていました。下のサイトで写真が見られます。

www.seikatsu110.jp

 

香川県に来てるのなら、善通寺だけとはいわず、県内をずーっと漫遊してもらいたいなあ、うちの庭とかさ😉 ただ、暑いからねえ……