1995年にはパリでも地下鉄爆弾テロが起きてたりするんだけど

平成8年 警察白書』の中の『諸外国の状況』より

(3) 我が国に波及するテロの脅威
 イスラム原理主義過激派によるテロ事件が世界各地で頻発する中、1995年(平成7年)2月、ニューヨーク世界貿易センタービル爆破事件(1993年(平成5年)2月)の主犯格とみられるイスラム原理主義過激派テロリスト、ラムジ・アハメド・ユセフがパキスタンで逮捕され、同人らが東京経由便を含む複数のアメリカ合衆国旅客機の同時爆破を計画をしていたことが明らかになった。さらに、日本人乗客1人が犠牲となったフィリピン航空機内爆発事件(1994 年(平成6年)12月)も、同計画のテストとして同人らによって敢行されていたことが判明し、我が国にもイスラム原理主義過激派によるテロの脅威が波及していることがうかがわれた。

テロについてだが、先進国の中では、ヨーロッパは80年代になっても日本から見るとテロが多かった。むしろ最近はそういうニュースがあまり出なくなっているような印象すら持つようになっていたが、イラクから毎日のように爆弾テロのニュースが日本でもそこそこ大きくとりあげられるからだろうか。
歴史的経緯や経済構造が絡んで動機を形成するイスラム過激派にくらべると、オウムは豊かな社会の病理として片付けられるのだろうが、ある程度の豊かさの中で、常に「よい子」でいるしかなかったことからくる、そんな自分の無力さへの絶望と、自分をそういう状態へ追いやってしまう周囲への憎悪というのは、それはそれで普遍性のある負の感情なのではないだろうか。