ホステル

  • 2005年、アメリ
  • 原題:HOSTEL
  • 監督・脚本:イーライ・ロス
  • 出演:ジェイ・ヘルナンデス、デレク・リチャードソン、エイゾール・グジョンソン

DVDで鑑賞。
ヨーロッパを旅行中のアメリカ青年が恐怖の体験をする。
アメリカ人大学生、ジョッシュとパクストンは、バックパッカーとしてヨーロッパを旅行中。オリーという仲間も出来、いっしょにアムステルダムでクスリをやったり売春宿へ行ってみたりと楽しんだ。アムステルダムで出会った男が、女遊びがしたければスロバキアのブラティスラバという所に行けばいい、と3人に教える。戦争で男が減り、きれいな女が余っているんだ、と。それを聞いた3人は、ガイドブックにも載っていないというブラティスラバへ向かう。
旅先の外国で想定外の災難が降りかかる恐怖譚。拷問ポルノと紹介されていたりもするこの映画、残虐描写がくどいのかと思いきや、観てみるとよくできてるなと感心するような見せ方になってました。拷問器具や拷問者の姿、部屋の汚れ具合などでイヤーな雰囲気を出し、拷問の瞬間は肉体損壊そのものを見世物にするのは抑え、無闇に血ドバドバにはならない。そのせいでバカっぽさが薄れる分、ホンモノ的痛さを感じさせる場面をちゃんと見せてくれる。
気前よく血糊を噴き上げるバカ映画よりたちが悪いのかもしれないけれど、筋がちゃんとあるおはなしになっているので、見ていておもしろい。グロい中に妙なおかしみもあり、主人公が脱出できるかどうかというハラハラドキドキもある。
イーライ・ロス監督が、イラク戦争などアメリカの現状を皮肉っている面もある作品なんだよと雑誌のインタビューで語っていたのを読んだ記憶がある。映画の主人公のアメリカ青年の台詞からは、アメリカ以外は全部イナカだと悪気なく思い込んでいるようなキャラになってるように見え、別にこういうのこの映画に限らずよく出てくるアメリカ人なんだが、まあそんなこといったらアメリカとはひと味ちがった意味で日本も島国根性だとかよくいわれてるし実際そうなんだろう、そのせいかホステルで主人公と知り合う日本人女性も拷問されてしまっておりました。
クエンティン・タランティーノが製作に関わっているのだが、この作品、60-70年代に流行った残酷映画を意識して作られてもいるのではないでしょうかね。あのころの拷問映画はもっとえげつなかったような気がするが、今見返すとどうなんだろう。特殊メイクが進歩してるからね、今は。