神馬と狂言

「万作・狂言十八選」の第7回公演が琴平の金丸座であったので観に行った。早めに出かけて、一月に金比羅に行ったときはあいにく留守だった神馬にも会ってきた。(参照
写真の毛の白いほうが神馬です。厩舎で、サラブレットと並んで、元気そう。


十六歳。推定人間年齢六十四歳。(訂正:2016-01-03 #これは神馬のものではありませんでした。すいません)
神馬の元気な姿を見られて、なにか安心、勝手にこちらまで元気になってきた。
元気になったところで、狂言
人間国宝野村万作さん、金丸座で狂言公演 - 四国新聞社
公演は、最初に解説があり、その後、素囃子「獅子」、それから狂言「宗論[しゅうろん]」と「髭櫓[ひげやぐら]」。
背景は黒地で、素囃子も黒い着物に灰色の袴といういでたち、そんな中、鼓のオレンジ色の紐が妙に映えます。笛の音はしぶいが、鼓の音は鋭い。ストイックなファンク魂を感じる和楽。
「宗論」は、浄土僧(野村萬斎)と法華僧(石田幸雄)のキャラがどちらもすごくよく似合っていて、笑える。二人の声が絡み合うところ、ファンカデリックなグルーヴが響き、同時に無駄の一切ない動きのかっこよさにも感じ入る。おはなしも、はてなダイアリーを舞台にしてもやれそうなおかしさでしたね。というか、今もどこかで起こっているのかな。
「髭櫓」では、つけひげや、ひげを守るために急遽たてたプチやぐらについたプチプチ旗を見て、以前丸亀市民会館で観た京劇を思い出しました。「むさい」という言葉、すごく昔からすたれることなく使われてるんだな、つまりむさいのは絶えることなく存在し続けているんだなと妙に感心。マンガチックに誇張された小道具の効果、また、女性の着物の柄がすっきりとかわいらしくきれいだったのが印象的。
狂言は、すっきりと、無駄なく、笑いのポイントがはっきりしていて、時間も短く、何より声がいいので、歌舞伎はちゃらちゃらしてて苦手だけど、狂言は好き、という人がきっといるんだろうなと思った。
私はどちらも好きですが、歌舞伎は苦手だけど狂言はまだ観たことない、という人は、一度狂言を観に行ってみるといいんじゃないだろうか。新しい発見があるかも。
音楽的に、ファンクに通ずるグルーヴがありますね。日本人が無理なくグルーヴできる光源が狂言には内包されていそうだ。あの発声は、しかしきびしい訓練のたまものなのだろうな。