ケン・アルバーラ『パンケーキの歴史物語』(翻訳:関根光宏、原書房)

パンケーキの歴史物語 (お菓子の図書館)作者: ケンアルバーラ,関根光宏出版社/メーカー: 原書房発売日: 2013/09/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る パンケーキはでんぷんを主成分とする食べ物であり、熱したフライパンや鉄板などの上に生…

桐野夏生『メタボラ』上・下(朝日文庫)

メタボラ(上) (朝日文庫)作者: 桐野夏生出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2010/07/07メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (13件) を見るメタボラ(下) (朝日文庫)作者: 桐野 夏生出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2010/…

安田浩一『ネットと愛国』講談社

ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて (g2book)作者: 安田浩一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/04/18メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 12人 クリック: 372回この商品を含むブログ (72件) を見るネットが産んだ排外主義集団、在特会を探るルポ…

森美術館問題から思い出した小説

星新一「解放の時代」(新潮文庫『天国からの道』所収) 天国からの道 (新潮文庫)作者: 星新一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/08/28メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (60件) を見る星新一作品としてはめずらしくセックスが主題となっ…

星新一『さまざまな迷路』新潮文庫

さまざまな迷路 (新潮文庫)作者: 星新一出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1983/08メディア: 文庫 クリック: 8回この商品を含むブログ (33件) を見る星新一のショートショートは何度読み返してもいい。寝る前にひとつかふたつおはなしを読み、空想をひろげる。…

三浦しをん『あやつられ文楽鑑賞』双葉文庫

橋下大阪市長は文楽に補助金を支給する方針を表明した。 文楽ファンとしてはひと安心。 ところで週刊金曜日2012年10月5日号の「本棚」で、こんな本が紹介されている。あやつられ文楽鑑賞 (双葉文庫)作者: 三浦しをん出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2011/09/…

湊かなえ『白ゆき姫殺人事件』集英社

白ゆき姫殺人事件作者: 湊かなえ出版社/メーカー: 集英社発売日: 2012/07/26メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 39回この商品を含むブログ (30件) を見る 自分の記憶で作られる過去と、他人の記憶で作られる過去。正しいのはどちらなのでしょう。 静かな田…

二冊の木嶋佳苗本なんだけど

毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記作者: 北原みのり出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2012/04/27メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 195回この商品を含むブログ (38件) を見る別海から来た女――木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁判作者: 佐野眞一出版社/メーカ…

杉浦由美子「死刑法廷 木嶋佳苗 セックスと嘘と永久脱毛」 文藝春秋2012年6月号

文藝春秋 2012年 06月号 [雑誌]出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/05/10メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 11回この商品を含むブログ (6件) を見る「稀代の悪女か、魔性の女か!? 傍聴した女性ライターが正体に迫る」と副題にあるとおり、木嶋佳苗と…

佐野眞一『別海から来た女』講談社

別海から来た女――木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁判作者: 佐野眞一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/05/25メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 98回この商品を含むブログ (20件) を見る首都圏連続不審死事件で起訴された木嶋佳苗の裁判傍聴記と、事件の周辺…

中村淳彦『職業としてのAV女優』幻冬舎新書263

職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)作者: 中村淳彦出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2012/05/30メディア: 新書購入: 4人 クリック: 216回この商品を含むブログ (40件) を見る題名通りの内容。現在のAV女優はどのように採用され、どのような仕事をこなし、受け…

小林信彦『映画×東京とっておき雑学ノート』文春文庫

映画×東京とっておき雑学ノート―本音を申せば〈4〉 (文春文庫)作者: 小林信彦出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2011/07/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (6件) を見る2007年に週刊文春に連載したエッセイをまとめたもの。 題…

石川結貴『子どもの無縁社会』中公新書ラクレ407

ルポ - 子どもの無縁社会 (中公新書ラクレ)作者: 石川結貴出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2011/12/09メディア: 新書 クリック: 16回この商品を含むブログ (8件) を見る石川結貴オフィシャルサイト(http://ishikawa-yuki.com/) 目次は以下の通り。 …

岩崎夏海「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」ダイヤモンド社

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら作者: 岩崎夏海出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2009/12/04メディア: 単行本購入: 265人 クリック: 12,967回この商品を含むブログ (1008件) を見る高校二年生の夏、川島みな…

斎藤貴男『民意のつくられかた』岩波書店

民意のつくられかた作者: 斎藤貴男出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/07/28メディア: 単行本 クリック: 50回この商品を含むブログ (9件) を見る私たちは社会問題について考える際、新聞や雑誌などマスメディアから得た情報、テレビで見聞きした意見を参…

田辺聖子『ナンギやけれど…… わたしの震災記』(集英社)isbn:4087752046

テレビでは東日本大震災のニュースがずっと流れているが、香川県にいる私の日常はとくに変化もないまま、自分でしたことといえば釣り銭を募金箱に入れただけ。 ユープラザでは『和紙ちぎり絵展』。淡い色、濃い色、にじみあい重なりあって花や風景が鮮やかに…

村上春樹『1Q84』の続きが読みたい!

二度ほど村上春樹『1Q84』に触れた日記を書いて(参照:*, **)、それをきっかけに小説を見直してみたりして、このおはなしの続きが読みたい、そういう気持ちが強まってきた。 どういう点が気になるのか。 まず、謎の教団の後継者になりそうな人物が、book1-…

栗本薫『ゲルニカ1984年』(ハヤカワ文庫)

昨日、村上春樹の『1Q84』を読んだ感想を書いたのだが、それで思い出したのが栗本薫のこの作品。 舞台は1984年の東京。主人公はテレビディレクターで、自分の作る番組の準備として戦争についての本を読み漁る日々が続いていた。そのうちに、段々と「ほんとう…

村上春樹『1Q84』(新潮社)

話題になった『1Q84』、私も流行に乗っていち早く購入、とても楽しんで読んだので感想を書きたいなと思ったりしながら、何も書かずに来てしまった。 なぜかといえば、私は村上春樹をスティーヴン・キングを読むようにしか読んでいないのに、世間一般では春樹…

スティーヴン・キング『ドロレス・クレイボーン』(訳:矢野浩三郎/文藝春秋)

メイン州の小さな島。65歳の寡婦ドロレス・クレイボーンはずっとこの島に住み、子供たちを育て上げた。長年メイドとして仕えた女主人・ヴェラ・ドノヴァンの殺害容疑を晴らそうと、彼女は取調室で語り始める。ヴェラと彼女はどのような関係だったのか。そし…

有馬学『日本の近代4 「国際化」の中の帝国日本』中央公論新社

日本の近代 4 「国際化」の中の帝国日本―1905?1924作者: 有馬学出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1999/05メディア: ハードカバー クリック: 12回この商品を含むブログ (3件) を見る二十世紀最初の四半世紀の帝国日本は、一般には が終焉し、大正デモク…

笙野頼子『夢の死体』(河出書房新社)

猛暑が続き、きょうも蒸し暑い。くもり空だったので、雨が降ってくれればいいのにと思う。 遠方で花火の上がる音がしばらく続いた。夏の夜空に上がる花火はいい。暑い暑いとエアコンをつけて部屋にこもるだけではいけないのかもしれない。夏は日が暮れてから…

『報道不信の構造』(ジャーナリズムの条件 2)岩波書店

報道不信の構造 (ジャーナリズムの条件 2)作者: 徳山喜雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/03/04メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (4件) を見る題名通り、近年、市民からジャーナリズムが不信感を持たれ、マスコミから市民を権力側…

佐々木隆『日本の近代14 メディアと権力』中央公論新社

図書館で見ておもしろそうだったので、ざっと読んでメモを取った。あらためてじっくり読んでみたいのだが、ここではメモを書いておきたい。 本書はメディアと権力の関わりをどちらかというと権力の方から眺め、再検証しようとしたものである。ちなみにここで…

大平健『こころの散歩道』岩波書店

こころの散歩道作者: 大平健出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1999/09/28メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 46回この商品を含むブログ (1件) を見る精神科医・大平健のエッセイ集。1996年から1998年までに様々な雑誌に発表された文章をまとめたもの。全…

ひとりぼっちのへびのこ

『おおきなポケット』2010年1月号より。 「ひとりぼっちのへびのこ」文:石井睦美、絵:平岡瞳 木のうろの中で目を覚ました時、へびのこはひとりぼっちでした。木のうろから出てみるとそこはリスさんの家の庭。リスさんの姿に気がつきましたが、へびのこはな…

笙野頼子を読んで思い出すもの

笙野頼子の小説を読んでいると、音楽を聴こえてくるような気がする。 『金毘羅』の感想では交響曲を聴き終わったような充実感を覚えた、と書いた。『海底八幡宮』では、クラシックよりもっと打楽器がたくさん鳴らされるもの、アジアや南米の音楽(かなりざっ…

小林信彦『日本人は笑わない』新潮文庫

日本人は笑わない (新潮文庫)作者: 小林信彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1997/10メディア: 文庫 クリック: 14回この商品を含むブログ (4件) を見る元の本は1994年に出版されている。1989-1994までに書かれたエッセイをまとめたもの。話題は、時事、芸能…

川井唯史『ザリガニ ニホン・アメリカ・ウチダ』岩波科学ライブラリー 162

ザリガニ―ニホン・アメリカ・ウチダ (岩波科学ライブラリー)作者: 川井唯史出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/09/18メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 40回この商品を含むブログ (3件) を見る題名通り、ザリガニについての本。日本にいる、ニホンザ…

笙野頼子『海底八幡宮』河出書房新社

笙野頼子の新刊ということで、購入しました。 金毘羅として覚醒して後、書き手がさらに深化していく過程が描かれています。 体の弱ってきた老猫を世話しているうちに浮かんでくる様々な思い。それに並行して話の噛み合わない相手への対応に頭を悩ませたりし…